腕時計に使われているステンレス(SS)は、その耐食性が重要な要素となります。特に、高級腕時計やダイバーズウォッチなどは、耐腐食性や耐久性が求められるため、素材選びが非常に重要です。この記事では、腕時計に使われるステンレスの種類とその耐食性(PREN値)について詳しく解説します。
1. ステンレス(SS)の種類と耐食性
ステンレスは、その耐食性の高さから腕時計の素材として広く使用されています。特に時計業界でよく見かけるステンレスの種類には、エバーブリリアントスチール、SUS904L、SUS316L、SUS304の4種類があります。それぞれのステンレスは、耐食性や強度、加工のしやすさにおいて異なる特徴を持っています。
耐食性の指標として、PREN(孔食指数)が用いられます。この値が高いほど、腐食に強いことを意味します。
2. エバーブリリアントスチール(PREN 40以上)
エバーブリリアントスチールは、非常に高い耐食性を持つステンレス素材です。この素材は、特にグランドセイコー(GS)などで使用されています。PREN値が40以上であるため、非常に腐食に強く、海水や湿気にさらされても長期間美しい状態を保ちます。
エバーブリリアントスチールの最大の特徴は、耐食性が優れているだけでなく、光沢が非常に美しいことです。このため、高級時計に使用されることが多いのです。
3. SUS904L(PREN 35)
SUS904Lは、ロレックスなどの高級腕時計に多く使用されるステンレス素材で、PREN値は35です。この素材は、耐食性に優れており、特に海水に強いという特長を持っています。
SUS904Lは、加工が難しいため、主に高級時計ブランドで使用されます。耐腐食性に優れているため、長年使用しても美しい外観を維持できる点が魅力です。
4. SUS316L(PREN 25)
SUS316Lは、高級腕時計やダイバーズウォッチに多く使用されているステンレス素材で、PREN値は25です。一般的に高級時計に使用されるステンレスとして広く認識されていますが、SUS904Lほど耐食性が強いわけではありません。
それでも、SUS316Lは優れた耐食性を持ち、長期間にわたって使用可能です。サビに強く、日常的な使用において十分な耐久性を発揮します。
5. SUS304(PREN 18)
SUS304は、安価な時計やカジュアルな一般的な腕時計に使われることが多いステンレス素材で、PREN値は18です。この素材は、他のステンレス素材に比べると耐食性が劣りますが、それでも一般的な使用においては十分な耐久性を提供します。
SUS304は、価格が抑えめであるため、コストパフォーマンスを重視する人々に選ばれることが多いです。日常的な使用では大きな問題は起こりませんが、過酷な環境下では少し注意が必要です。
6. ステンレス素材の選び方とまとめ
腕時計を選ぶ際、ステンレス素材の選び方は非常に重要です。耐食性を重視するのであれば、エバーブリリアントスチールや、SUS904Lが特におすすめです。これらは、長期間にわたって耐久性が保たれるため、高級腕時計に最適な素材と言えるでしょう。
一方、日常的な使用において十分であれば、SUS316LやSUS304でも問題はなく、価格の面でもコストパフォーマンスに優れています。選択は、使用環境や予算に応じて決めることが重要です。
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