截金（きりかね）とは、金箔を細く切り、膠で貼り付けて文様を描く日本の伝統工芸技法です。奈良時代から仏像や仏画の装飾に用いられ、江戸時代には染織文様としても人気を博しました。現在では、着物や帯、ジュエリーなどのデザインに取り入れられ、現代のアートシーンにも影響を与えています。
截金の技法と特徴
截金は、金箔を極細に切り、膠で貼り付けることで、繊細で立体的な文様を表現する技法です。仏教美術においては、仏像や仏画の装飾に多く用いられ、金色の輝きが神聖さを象徴しています。江戸時代には、絞り染めや小紋染めなどの染織文様としても人気を得ました。
現代における截金の作家
現代においても、截金の技法を継承し、新たな作品を生み出す作家が活躍しています。以下に代表的な作家をご紹介します。
- 清水 宗史（しみず そうし）: 京都在住の截金師で、仏像彫刻や修理、彩色、截金、仏画などを手掛けています。ジュエリーブランド「K.KIRIKANE」の代表でもあり、伝統技法を現代のデザインに融合させた作品を制作しています。
- 重住 和子（しげずみ かずこ）: 株式会社ニートの代表で、グラフィックデザインを基盤にしたジュエリーブランド「K.KIRIKANE」のデザイナーです。清水宗史と共に、截金の技法を用いたジュエリーを制作しています。
- 武村 小平（たけむら こへい）: 信楽に工房を構える型染め作家で、自然の草花や伝統的な文様を現代的な感性で表現しています。截金を取り入れた作品も手掛けています。
截金を取り入れた作品例
截金の技法は、着物や帯、ジュエリーなど様々な作品に取り入れられています。例えば、京都の呉服店「ふくひろ」では、金彩の付け下げ訪問着に截金文様を施し、立体的な美しさを表現しています。
まとめ
截金は、日本の伝統工芸技法として、仏教美術から現代のアートシーンまで幅広く活用されています。現代の作家たちがその技法を継承し、新たな作品を生み出すことで、截金の魅力は今なお輝きを放っています。
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