革靴や革製品のコバ処理は、見た目を良くするだけでなく、耐久性を高める重要な作業です。特に、蝋引き処理とトコノールを使った処理には違いがあります。これから、両者の違いと、履き口の内革の処理にどちらを使うべきかについて解説します。
1. 蝋引き処理とは
蝋引き処理は、革のコバに蝋(ワックス)を塗り込む方法です。この処理は、革の表面を保護し、水分の侵入を防ぐ効果があります。また、蝋を使うことで、コバ部分がツヤを持ち、質感が向上します。蝋引き処理を施すことで、革がさらにしっかりとした印象を与え、耐久性も向上します。
2. トコノール処理とは
トコノールは、革のコバを磨き、固めるために使用される製品です。トコノールを使用することで、コバが滑らかで美しい仕上がりになります。また、トコノールは乾燥後に硬化するため、革のコバがしっかりと固まり、強度が増します。トコノールは、仕上がりに艶が出ることが特徴です。
3. 蝋引き処理とトコノール処理の違い
蝋引きとトコノール処理の主な違いは、仕上がりの質感と耐久性です。蝋引きは艶があり、革の表面を保護する効果がありますが、トコノールは硬化と滑らかさを重視し、しっかりとしたコバを作るのに適しています。
- 蝋引き処理:艶感があり、手触りが滑らか。水分や汚れから革を守り、耐久性を向上。
- トコノール処理:硬化作用が強く、革のコバがしっかりと固まり、滑らかな仕上がり。
4. 履き口の内革の処理に使うべき方法
履き口の内革の処理を行う場合、トコノールが適しています。理由としては、履き口部分は摩擦が多く、しっかりと固める必要があるためです。トコノール処理により、摩擦に強い耐久性のあるコバを作ることができます。
まとめ
革のコバ処理において、蝋引き処理とトコノール処理はそれぞれ異なる特徴を持っています。履き口の内革の処理には、しっかりとした仕上がりが求められるため、トコノールを使用することをお勧めします。どちらの方法も、それぞれにメリットがあるため、用途や仕上がりの好みによって選ぶと良いでしょう。
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