時計の時刻は誰が、いつ、どのように決めたのでしょうか？ 現在、世界中で時計が同じ時間（時差を加味した上で）を指しているのは、確かに不思議に思える点です。この記事では、時計の始まりと、どのようにして全世界の時計が統一されたのか、その背景を解説します。
時計の歴史と時刻の基準
時計が発明されたのは古代のことで、最初は太陽の位置を基に時間を測っていました。初期の時計は、日差しを利用して時間を示す「日時計」や、水時計などが使われていました。しかし、機械式の時計が登場してから、時間の測定方法が格段に進化しました。
最初に「正確な時刻」が必要とされるようになったのは、産業革命時代です。この時期に世界中で一斉に統一された「標準時」の考え方が生まれました。1884年、グリニッジ標準時（GMT）が採用され、これが現在の世界標準時（UTC）の基礎となりました。
グリニッジ標準時（GMT）と世界標準時の誕生
グリニッジ標準時（GMT）は、イギリス・ロンドン郊外のグリニッジ天文台から計測される時間を基準に定められました。これにより、時間の計測方法が国際的に統一されることとなり、世界中の時計が「同じ時間」を指す基盤ができました。
もちろん、地域ごとに時差は存在しますが、GMTを基準にして時計の時間を決めるシステムは現在も使用され続けています。国際的な合意に基づき、すべての時計がこの基準に従うことで、時差を含む時計の統一が可能となりました。
イエス・キリストの死と時刻の基準について
質問では「イエス・キリストが亡くなった瞬間に等間隔で時刻を打つ時計が存在し、それを基準に世界中の時計が同じ時間を示すようになったのではないか？」とありますが、実際にはイエス・キリストの死を基準にして時刻が決められたわけではありません。
現在の時刻の基準は、世界全体で統一されたGMTやUTCに基づいています。歴史的には、イエス・キリストの誕生を基準にした「西暦（AD）」が広く使われていますが、これは時間ではなく年数を数える基準です。時間の計測は、世界中の科学者や国際機関の協力のもとで標準化され、現在のような時刻システムが確立されたのです。
世界中の時計が同じ時間を示す仕組み
世界中の時計が同じ時間を示す仕組みは、グリニッジ標準時を基準にした「協定世界時（UTC）」を採用しているからです。UTCは、原子時計を基にした非常に高精度な時間基準です。各国や地域は、このUTCを元に自国の標準時を設定し、その時差によってローカルタイムが決まります。
たとえば、日本の標準時はUTC+9時間となっており、ロンドンのグリニッジが基準となるUTCとは9時間の差があります。このように、時差を加味しても、全ての時計はUTCを基準にしているため、同じ時間を共有していることになります。
まとめ
時計の時刻の始まりは、古代の太陽の位置を使った計測から始まり、産業革命時代に「標準時」の考え方が広まりました。現在の時計の統一は、グリニッジ標準時を基準にした協定世界時（UTC）によって実現されています。イエス・キリストの死と時刻が直接的に結びついているわけではありませんが、世界中の時計はこの基準に基づき、正確に同じ時間を示すことができるようになっているのです。
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