紋付袴の下にステテコを履く理由とハーフパンツ代用は可能か?礼装下着の選び方

着物、和服

成人式・前撮り・結婚式などで紋付袴を着るとき、下に何を履けばいいか迷う方は多いでしょう。ステテコが定番ですが、ハーフパンツや他の代用品で代替できないかという疑問もよく聞かれます。本記事では、その疑問に答えつつ、礼装としてふさわしい下着の選び方や注意点を解説します。

紋付袴でステテコが選ばれる理由

まず「なぜステテコなのか」を理解しておくと、代用品を選ぶ基準も見えてきます。ステテコが選ばれる主な理由は以下の通りです。

  • 通気性・吸汗性が高く、袴と肌との摩擦を減らし快適さを保てる
  • 袴の裾さばき(動きやすさ)を損ないにくい形状である
  • 礼装下着として伝統的に馴染みがあるため、見た目・しきたり面で問題が起きにくい

じつ際、紋付袴の着付け準備の説明でも、袴の下には「ステテコを用意する」ケースが紹介されています。[参照]

ハーフパンツなどの代用は可能か?メリット・リスク

結論から言えば、**代用できるケースもあるが、注意が必要**です。以下にメリットとリスクを整理します。

【メリット】

  • 手持ちのハーフパンツが薄手で動きやすければ、一時的に代用できる可能性がある
  • 通気性の良い素材(綿・テンセル・吸湿速乾素材等)であれば、暑い季節には快適性を得られることもある

【リスク・注意点】

  • ハーフパンツの裾が袴から見えてしまう恐れがある(裾の形状・長さによる)
  • 縫い目やゴムの太さ・位置が袴の帯・紐の下で不自然に出てしまうこと
  • 生地が厚すぎる・伸縮性が強すぎるものは、着付け時に着ぶくれやシルエット崩れを起こす可能性
  • 礼装の場では、伝統的な見た目の観点から“和装肌着”で揃えたほうが無難とされることが多い

例えば、TAKAZENの和装コラムでは、袴の下着として「普段の下着を代用する際は素材や見え方に注意を」とのアドバイスがされています。[参照]

礼装下着としてふさわしいインナーの条件

代用品を選ぶなら、次の条件を満たすことが望ましいです。

  • 薄手で伸縮性が控えめな素材(例えば薄手綿、絹混、和装用素材など)
  • 縫い目がフラットまたは目立たない構造
  • 裾の長さが短すぎず袴から見えないこと
  • 通気性・吸汗性があること

実際、多くの式場・衣装店ではステテコと肌襦袢をセットで扱っており、紋付袴に必要な下着構成として「ステテコを着用することが推奨される」とする説明も見られます。[参照]

実例・体験から見る代用の成功例と失敗例

成功例としては、薄手の和装用ステテコ(裾が短めで縫い目が目立たない)を使って、袴の裾さばきに支障なく過ごせたという声があります。

一方、失敗例としては、カジュアルなハーフパンツ(裾のステッチが厚め・ゴム幅が広め)を使用したところ、袴の内側に生地が引っかかって歩きづらくなった、という報告もあります。

結論:ハーフパンツでの代用は可能だが“見え方・機能性”を重視して選ぶべき

紋付袴でステテコの代わりに薄手のハーフパンツを使うこと自体は完全に否定されるわけではありません。ただし、礼装としての見た目崩れや動きやすさの点で、伝統的・安全策としてステテコを選ぶ方がリスクは少なくなります。

もし代用を試すなら、「裾が短すぎない」「縫い目が目立たない」「厚みが控えめな素材」を条件に、着付け時の動線や見え方を前もって試着・チェックすることを強くおすすめします。

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