透明ガラスなどの素材を使ったピアスで、キャッチが皮膚に埋まって出血してしまったという経験をしたことがある人は少なくありません。この記事では、そうしたトラブルが起きた際の正しい応急処置&その後のケア方法、気をつけたい症状などを詳しく解説します。
まずすべき応急処置:“水だけ”で済ませていいか?
出血してキャッチを無理に引っ張り出したあとは、傷口に残った異物や細菌をできるだけ除くことが重要です。**水だけで洗うのは不十分**な場合があります。
応急処置の基本ステップは以下のとおりです。
- まず、**清潔な流水**または**滅菌生理食塩水(0.9% 塩水)**で優しく洗い流す。
- 石鹸を使う場合は、刺激の少ない無香料・無着色の洗浄剤を薄めて使い、十分にすすぐ。
- 無理にこすったり強くこすったりせず、やさしく処置すること。
- 洗ったあとは、**清潔なガーゼや無菌ガーゼ**で軽く押さえて止血する。
ただし、傷が深い、出血が止まらない、痛みが強い、腫れや化膿が見られるような場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
その後のケア:正しい洗浄・保護と注意点
応急処置後は、傷の治癒を邪魔しないように慎重にケアを続けることが大切です。
具体的なステップは次の通りです。
- **1日2~3回、滅菌生理食塩水で洗浄**。強い消毒薬(アルコール、過酸化水素水、ヨード系など)は刺激が強く、組織を傷めたり治癒を遅らせたりする可能性があるため、通常は避けます。[参照]
- 洗浄時には、耳の前後両側を忘れずにきれいにする。
- 洗った後は、**無菌ガーゼや清潔なティッシュでやさしく水分を吸い取る**。
- 必要なら**透明な絆創膏や透過性のドレッシング材**で傷を覆い、外部刺激やほこりの侵入を防ぐ。
- 明らかに化膿の兆候(黄色や緑色の膿、ひどい腫れ、強い痛み、発熱など)があれば、抗菌処置や抗生物質の処方を受けるため医師の診察を。
キャッチが埋まる原因と再発予防
そもそもキャッチが耳に埋まってしまう原因と、それを予防する工夫も知っておいたほうが安心です。
代表的な原因と予防策を以下にまとめます。
- **ピアスの長さが短すぎる/針穴が浅い**:適切な長さ・サイズのピアスを使う。
- **キャッチの形状・素材の問題**:突出しすぎない形やラウンド型、肌に刺激の少ない素材を選ぶ。
- **腫れ・むくみ・炎症**:アレルギー反応や摩擦が原因になることもあるので、金属アレルギー対応の素材を選択。
- **強く押し込む**などの操作による挟み込み:キャッチは“はめる”ように取り扱い、無理に力をかけない。
症例・実例:キャッチ埋没からの回復例
ある事例では、キャッチが軟骨部分に深く埋まった症例で、無理に自力で引っ張り出してしまった結果、傷が広がって治癒が長引いたという報告があります。専門のピアススタジオで切開して取り除いたケースもあります。
逆に、軽度の埋没であれば、滅菌生理食塩水でやさしく洗浄して清潔を保つことで自然に排出されたり、腫れが引くことでキャッチが浮き出たりした例もあります。
どのタイミングで医療機関を受診すべきか?
以下のような場合は、自己判断ではなく必ず医師や専門家の診察が必要です。
- 出血が強くて止まらない
- 痛みが強く持続する
- 明らかな膿や発熱などの感染兆候がある
- キャッチやピアス本体が動かせないまま埋没している
- 腫れがどんどん進行する
まとめ:自己処置は慎重に、専門機関への判断も忘れずに
透明ガラスピアスのキャッチが耳に埋まってしまったとき、まずは“やさしく洗浄して清潔を保つ”応急処置が基本ですが、水だけでは十分とは言えません。滅菌生理食塩水を使い、刺激の強い消毒薬の乱用は避けるべきです。また、痛み・出血・化膿など異常がある場合はすぐに医療機関を受診するべきです。
正しいケアと早めの判断が、後遺症なく回復するための鍵となります。
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