高級腕時計をめぐる強盗・窃盗事件では、ロレックスだけでなく、パテック・フィリップやリシャール・ミルなど非常に高額なブランドの名前が話題になることがあります。しかし、単純に「価格が高いブランドほど狙われる」と考えるだけでは、高級時計をめぐる犯罪リスクの実態を正確に捉えられません。
高級腕時計は小型でありながら高額で、着用していることが外から分かる場合があります。そのため、所有者にとって重要なのはブランド間の危険度を競うことではなく、高価な時計を身につけていること自体が状況によってリスク要因になり得ると理解し、防犯を考えることです。
ロレックスも現在なお防犯を意識すべき高級時計
ロレックスは世界的に知名度が高い高級腕時計ブランドです。モデルによって価格は大きく異なり、中古市場でも高額で取引されるものがあります。
したがって、パテック・フィリップやリシャール・ミルと比較してロレックスなら安全、という考え方は適切ではありません。犯罪者が何を狙うかは個々の事件によって異なり、ブランド名だけで被害リスクを判断することはできません。
また、同じブランドでもモデル、素材、希少性、コンディションなどによって市場価値は大幅に変わります。「ロレックスはいくら」「パテックならいくら」というブランド単位の単純比較だけでは、実際の時計の価値を表せません。
パテック・フィリップやリシャール・ミルには極めて高額なモデルがある
パテック・フィリップは1839年創業のスイスの時計メーカーで、現在も独立した家族経営を続ける歴史あるブランドです。公式サイトではコレクションやブランドの歴史を確認できます。
リシャール・ミルは2001年に最初の時計を発表した比較的新しいブランドですが、先進的な素材や複雑な機構、特徴的なケースデザインなどで知られています。どちらのブランドにも非常に高額なモデルが存在します。
一方で、時計の価格が高いからといって「強盗が必ずこちらを優先する」という関係が成立するわけではありません。犯罪リスクには、時計そのものの価格以外にも着用場所、時間帯、周囲の状況など多くの要素が関係します。
高級時計が防犯上注意を要する理由
腕時計には、宝飾品と同じように「高価な品物を身につけて外出する」という特徴があります。自宅に保管する美術品などとは違い、外出中にも携帯することになるためです。
さらに時計は腕に装着するため、服装によっては第三者から見えることがあります。高級時計を所有する場合には、購入価格や資産価値だけではなく、こうした携帯品としての性質も考慮しておく必要があります。
これは特定ブランドだけの話ではありません。ロレックス、パテック・フィリップ、リシャール・ミルをはじめ、高価な時計やジュエリーを身につける際には共通して防犯意識が重要になります。
「最も狙われるブランド」を決めるのは難しい
ニュースで特定ブランドの被害が続くと、そのブランドばかりが狙われているように感じることがあります。しかし報道された事件だけを材料に市場全体の犯罪傾向を判断する際には注意が必要です。
例えば非常に高額な一本が盗まれた事件と、比較的流通量の多いブランドが多数の事件で被害に遭ったケースでは、「どちらが狙われやすいか」という問いの意味そのものが変わります。被害件数、所有者数、流通量などを考慮しなければ単純比較はできません。
そのため「強盗はロレックスからパテック・フィリップやリシャール・ミルへ移った」といった一般化は避けたほうがよいでしょう。個々の事件については、警察発表など確認可能な情報に基づいて判断する必要があります。
時計の価値と犯罪リスクは同じランキングにならない
時計愛好家にとっての希少価値、正規販売価格、中古市場価格、そして犯罪リスクは、それぞれ別の尺度です。
例えばコレクターから高く評価される希少モデルでも、一般の人が一目でモデルを判別できるとは限りません。反対に、広く知られているデザインであればブランドを認識されやすいことがあります。
したがって、時計の価格ランキングをそのまま犯罪者から狙われる順番として読み替えることはできません。防犯では「どのブランドなら大丈夫か」ではなく、高額品を携帯している際には相応の注意が必要という考え方が現実的です。
高級時計を着用するときにできる基本的な防犯
高級腕時計を楽しむこと自体を過度に恐れる必要はありませんが、着用する環境に応じた判断は重要です。特に旅行先や土地勘のない地域では、現地の治安情報を事前に確認しておくと安心です。
また、時計を含めた高額な所有物や行動予定をSNSへリアルタイムで詳しく公開することについても、防犯上慎重に考える余地があります。写真には本人が意図していない位置情報や生活パターンにつながる情報が写り込むこともあります。
万一、時計を奪おうとする人物に遭遇した場合には、時計を守るために身体的な抵抗をすることより、自身や同行者の安全を優先することが重要です。安全を確保してから現地の警察などへ通報します。
購入時には記録と保険についても考えておく
高額な腕時計を購入したら、保証書や購入記録などを適切に保管しておくことも重要です。時計本体と重要書類を常に同じ場所へまとめておく必要があるとは限らないため、自宅の防犯環境も含めて保管方法を検討します。
高額品を対象にできる保険を検討する方法もあります。ただし、盗難、紛失、海外での事故などの補償範囲や免責条件は契約によって異なります。
時計が非常に高価な場合には、「所有できるか」だけではなく、保管、防犯、メンテナンス、保険まで含めた維持方法を購入前に確認しておくと安心です。
海外旅行では現地の安全情報を確認する
高級時計を海外へ持っていく場合には、日本国内と同じ感覚で行動できるとは限りません。国や都市によって治安状況は異なり、同じ都市でも地域や時間帯によって環境が変わります。
旅行前には外務省の海外安全情報など、公的機関が提供する最新情報を確認することが基本です。現地で事件が増加している場合には、高価な時計を旅行へ持っていかないという選択肢もあります。
時計を楽しむことと防犯は両立できます。旅行の目的や訪問場所に合わせて、普段使いの時計へ変更するなど柔軟に判断することが大切です。
まとめ:ロレックスか超高級ブランドかではなく、高額品全般として考える
パテック・フィリップやリシャール・ミルには極めて高額な腕時計が存在しますが、それを理由に「現在の強盗はこちらを狙い、ロレックスは狙わない」と考えることはできません。ロレックスにも高額かつ人気のモデルがあり、ブランドを問わず高級腕時計には防犯上の注意が必要です。
また、犯罪者が標的を決める具体的な基準を一律に示すこともできません。報道された一部の事件からブランド別の危険度ランキングを作るより、着用する場所や時間、周囲の環境、旅行先の治安などを総合的に考えるほうが実用的です。
高級時計の防犯では「どのブランドなら狙われないか」を探すのではなく、高額品を身につけているときのリスクを理解し、自分の安全を最優先することが基本です。時計の購入価格が上がるほど、日常の着用方法だけでなく、保管や保険、旅行時の扱いまで含めて考えておくと安心でしょう。


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