男性がファンデーションやコンシーラー、アイブロウなどを使う「メンズメイク」は、若い世代を中心に珍しいものではなくなってきました。一方で、「実際に20代男性の何割くらいがメイクをしているのか」となると、SNSで目にする頻度と世間全体の実施率には差があります。
複数の調査を見ると、20代男性で現在メイクをする人は、おおむね2割前後と考えるのが一つの目安です。ただし、「毎日する人」「たまにする人」「メイク用品を購入した人」「過去に経験した人」では数字が大きく異なります。
この記事では、20代男性のメンズメイク率について公開されている調査データをもとに、実際には何割程度なのか、なぜ調査によって数字が違うのか、スキンケアとの違いまで整理します。
- 20代男性のメンズメイク実施率は約2割という調査がある
- 2022年調査でも20代男性は約2割だった
- 「毎日メイクしている男性」に限定すると割合はかなり低くなる
- メイク用品の購入率を見ると20代男性はさらに高い
- なぜ調査によって9%、20%、30%など数字が違うのか
- メンズメイクとスキンケアは分けて考えたほうがよい
- BBクリームやコンシーラーだけでもメンズメイクに入る?
- 20代男性ではメイクへの心理的抵抗も低くなっている
- SNSを見ていると実際より多く感じる理由
- メンズメイクの目的は「身だしなみ」が最多
- 20代男性の何割がメンズメイクをしていると考えればいい?
- まとめ:20代男性のメンズメイクは約5人に1人が一つの目安
20代男性のメンズメイク実施率は約2割という調査がある
参考になるのが、クロス・マーケティングが2024年8月に全国の15~69歳男性1,375人を対象として行った「美容に関する調査(2024年)男性編」です。この調査では20代男性250人について、5%が「毎日している」、16%が「たまにしている」と回答しています。[参照:クロス・マーケティング「美容に関する調査(2024年)男性編」]
両者を単純に合計すると21%です。つまり、この調査に限れば20代男性のおよそ5人に1人が、頻度の差はあるもののメイクをしていることになります。
一方で79%は「全くしていない」と回答しています。そのため、20代ではメンズメイクが広がっているものの、現時点ではメイクをしない人のほうが多数派と見るのが妥当です。
2022年調査でも20代男性は約2割だった
同じクロス・マーケティングによる2022年の調査では、20代男性のメンズメイク実施率は19%でした。[参照:クロス・マーケティング「美容に関する調査(2022年)男性編」]
2024年の調査では毎日5%、たまに16%の計21%ですから、調査条件を踏まえる必要はあるものの、「20代男性では2割前後」という規模感を考える材料になります。
例えば20代男性が10人いれば、そのうち2人程度にメイク習慣がある、というイメージです。当然ながら学校、職場、地域、交友関係などによって実際に周囲で見かける人数は変わります。
「毎日メイクしている男性」に限定すると割合はかなり低くなる
ここで重要なのが、「メンズメイクをしている」の定義です。先ほどの約21%には、毎日メイクする人だけでなく「たまにメイクする」という人も含まれています。
同調査の20代を見ると、「毎日している」は5%です。つまり日常的に毎日メイクをする人だけなら、単純計算で20人に1人程度という数字になります。一方、「たまにしている」は16%なので、イベントや外出など必要な場面だけメイクする層のほうが大きいことが分かります。
したがって「20代男性の2割が毎日のようにフルメイクしている」と解釈するのは適切ではありません。約2割という数字は、ライトユーザーまで含めた実施率として理解する必要があります。
メイク用品の購入率を見ると20代男性はさらに高い
別の角度から参考になるのが、リクルートのホットペッパービューティーアカデミーによる「美容センサス」です。2024年下期調査では、20代男性の「1年以内にメイクアイテムを1個以上購入した割合」は25.9%でした。[参照:ホットペッパービューティーアカデミー 美容センサス2024年下期]
さらに2025年下期の美容センサスについて同研究機関が公開した解説では、20代男性のメイクアイテム購入率が3割を超えたことが紹介されています。[参照:ホットペッパービューティーアカデミー 美容センサス2025年下期]
ただし、これは「現在メイクしている人の割合」と同じではありません。1年間にメイク用品を一つ購入しただけでも該当するため、メイク実施率と購入率は分けて考える必要があります。
なぜ調査によって9%、20%、30%など数字が違うのか
メンズメイクについて検索すると、かなり違う割合が見つかることがあります。これは必ずしもどれかの調査が間違っているからではなく、調査時期、対象地域、対象人数、質問内容、そして「メイクをする人」の定義が異なるためです。
例えば花王が紹介した20代男性の調査では、首都圏在住20代男性のおよそ9%にメイク経験があり、そのうち週1回以上メイク品を使用する人は4%という結果が紹介されています。こちらは2021年に行われた調査をもとにした情報です。[参照:花王 くらしの研究]
一方、クロス・マーケティングの2024年調査では「毎日」と「たまに」を合わせて20代の21%、リクルートの調査では2024年の20代男性のメイクアイテム購入率が25.9%です。つまり、数字を比較するときには何を測定した割合なのかを確認することが非常に重要です。
メンズメイクとスキンケアは分けて考えたほうがよい
男性美容について話す際によく混同されるのが「メイク」と「スキンケア」です。一般的には化粧水、乳液、美容液、日焼け止めなどによる肌のケアと、ファンデーション、コンシーラー、アイブロウなどで外見を整えるメイクは別カテゴリーとして調査されます。
クロス・マーケティングの2024年調査では、男性全体のスキンケア実施率は58%とされています。メンズメイクの実施率が男性全体では約1割だったことと比べると、スキンケアのほうがかなり一般化していることが分かります。
そのため「化粧水や乳液を使っている男性までメンズメイクに含める」という意味で割合を考えると、実態とかけ離れた数字になってしまいます。
BBクリームやコンシーラーだけでもメンズメイクに入る?
一般的な調査では、女性向けメイクのように何種類もの化粧品を使うことだけがメンズメイクというわけではありません。肌の色を整える化粧下地やBBクリーム、ニキビ跡などを隠すコンシーラー、眉を整えるアイブロウなどもメイク用品に含まれます。
例えば「普段は日焼け止めだけだが、デートの日だけBBクリームを使う」「ニキビが気になるときだけコンシーラーを使う」という男性も、調査の質問方法によっては「たまにメイクをする人」に含まれます。
逆に化粧水、乳液、洗顔料だけを使用している場合は、通常はスキンケアとして分類されます。メンズ美容市場が大きく見えるからといって、その利用者全員がメイクをしているわけではありません。
20代男性ではメイクへの心理的抵抗も低くなっている
実際にメイクをしている割合だけでなく、「男性がメイクすることへの抵抗感」にも世代差があります。クロス・マーケティングの2024年調査では、自分がメイクすることについて、15~29歳では「抵抗感がない」とする人が6割と高い結果でした。
つまり現在メイクをしていなくても、「男性だからメイクはしたくない」と考えている人ばかりではありません。興味はあるものの、やり方が分からない、必要性を感じていない、費用や時間をかけたくないといった人も含まれます。
この点を考えると、若い男性にとってメンズメイクは「ごく一部の人だけが行う特殊なもの」から、必要なら選択できる身だしなみ・美容手段の一つへ変化していると見ることができます。
SNSを見ていると実際より多く感じる理由
TikTok、Instagram、YouTubeなどを日常的に見ていると、「20代男性の半分くらいはメイクしているのでは」と感じる場合があります。しかしSNS上で目にする割合と人口全体の割合は一致しません。
美容系コンテンツを一度視聴すると、SNSのおすすめ機能によって似た投稿が継続的に表示されることがあります。またメイクに関心のある男性ほどメイク動画や商品レビューを発信する可能性が高いため、実際の人口比率以上に身近に感じることがあります。
逆に美容に関心の薄いコミュニティでは、周囲にメイクしている男性がほとんどいないように見えることもあります。そのため身近な友人だけを見て「ほぼ0%」「半分以上」などと推測するより、全国規模の調査を参考にしたほうが全体像を把握しやすくなります。
メンズメイクの目的は「身だしなみ」が最多
メンズメイクというと、アイシャドウやリップなどで大きく印象を変えるメイクを想像する人もいます。しかし実際には、自然に肌や眉を整える目的で取り入れている男性もいます。
クロス・マーケティングの2024年調査でメイク実施者にきっかけを聞いたところ、「身だしなみとして」が39%で最も多く、「特にない(なんとなく)」が23%、「コンプレックスをカバーするため」が19%でした。
例えば青ひげを目立ちにくくする、ニキビ跡をコンシーラーで隠す、眉の薄い部分を描き足すといった使い方なら、周囲からメイクしていること自体に気付かれないケースもあります。そのため、日常生活で見ただけではメンズメイク人口を判断しにくい面があります。
20代男性の何割がメンズメイクをしていると考えればいい?
公開されている調査を総合すると、現在の日本で「メイクをする20代男性は何割くらいか」という問いに対しては、おおむね2割前後を一つの目安として考えるのが分かりやすいでしょう。
特にクロス・マーケティングの2024年調査では、20代男性の5%が毎日、16%がたまにメイクをしており、合計21%です。一方でメイクアイテムの年間購入率を見ると、リクルートの2024年調査では20代男性が25.9%、2025年調査では3割を超えています。
つまり「日常的にメイクする人」「時々する人」「メイク用品を買ったことがある人」まで範囲を広げるほど数字は大きくなります。割合を紹介するときは、単純に「20代男性の○割」とだけ書かず、その数字が何を意味しているのかまで確認することが重要です。
まとめ:20代男性のメンズメイクは約5人に1人が一つの目安
20代男性のメンズメイク率については、調査の定義によって結果が異なります。全国の男性を対象にしたクロス・マーケティングの2024年調査では、20代男性のうち「毎日している」が5%、「たまにしている」が16%で、合わせて21%でした。
したがって「20代男性でメンズメイクしている人は全体の何割くらいか」を大まかに表現するなら、約2割、人数でいえば5人に1人程度が参考になる数字です。ただし毎日メイクする人だけなら5%であり、20代男性の大多数が日常的にメイクしているという状況ではありません。
一方、20代男性のメイクアイテム購入率は2024年に25.9%となり、2025年の調査では3割を超えています。メンズメイクへの心理的な抵抗も若年層ほど小さいため、今後もメイクを選択肢として取り入れる男性が増える可能性があります。
メンズメイクの割合を見る際は、「毎日する人」「たまにする人」「経験者」「商品購入者」を混同しないことがポイントです。現在の実施率という意味なら約2割前後、メイク用品への接触まで含めればそれ以上というのが、公開調査から読み取れる20代男性のメンズメイク事情です。


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