ダイソーの老眼鏡と眼鏡屋の老眼鏡は何が違う?度数・見え方・価格・使い分けをわかりやすく解説

メガネ、サングラス

「近くの文字が見えにくくなってきたので老眼鏡が欲しい」と思ったとき、身近な選択肢になるのがダイソーなどで販売されている既製老眼鏡です。一方、眼鏡店では視力や用途に合わせてレンズを選び、フレームのフィッティングまで行った老眼鏡を作ることができます。

どちらも手元を見やすくするという目的は同じですが、大きな違いは「あらかじめ決められた仕様の完成品を買うか、自分の目と使い方に合わせて作るか」という点です。

ダイソーの老眼鏡が一律に悪く、眼鏡店の商品なら何でもよいという単純な話でもありません。短時間だけ使う予備用なら既製品が便利なことがありますし、左右の目の状態が違う人や長時間使う人なら個別に合わせた眼鏡のメリットが大きくなります。それぞれの違いを理解して使い分けることが大切です。

そもそも老眼鏡は何をしている眼鏡?

一般に「老眼」と呼ばれている状態の正式名称は老視です。日本眼科学会によると、老視とは遠くから近くへ自由にピントを変える力が衰れ、近くを見ることが難しくなった状態を指します。加齢とともに調節する力が低下し、40代くらいから近くを見る作業で目の疲れなどを感じ始めることがあります。[日本眼科学会・老視(老眼)]

老眼鏡は、この不足してきた近距離のピント合わせをレンズによって補助するものです。「+1.0」「+1.5」「+2.0」などと表示されるプラスの度数がその代表例です。

ただし必要な度数は年齢だけでは決まりません。もともとの近視・遠視・乱視の状態や、新聞を読むのか、スマートフォンを見るのか、裁縫をするのか、パソコンを見るのかといった作業距離によって適切な矯正は変わります。

ダイソーの老眼鏡は「既製老眼鏡」

ダイソーでは現在も複数の度数・形状の老眼鏡が販売されています。公式ネットストアでは、+1.0、+1.5、+2.0、+2.5、+3.0などさまざまな度数の商品が確認でき、110円の商品も多数あります。[ダイソー公式ネットストア・老眼鏡]

このタイプの特徴は、すでにレンズとフレームが組み合わされた完成品であることです。店頭で自分が見やすいと感じる度数を選び、そのまま購入できます。

そのため「リビングに1本置いておく」「外出時の予備にする」「値札を見るときだけ使う」といった用途では非常に手軽です。紛失しても買い直しやすい価格も大きなメリットでしょう。

眼鏡屋の老眼鏡は自分の目に合わせられる

眼鏡店で老眼鏡を作る大きなメリットは、測定結果や使用目的に応じてレンズを選択できることです。左右の度数が異なる場合にも、それぞれに合わせたレンズを組み合わせることができます。

例えば右目は近視が強く、左目は弱いという人なら、単純に両方へ同じ+度数を入れた既製老眼鏡より、左右別々に補正した眼鏡のほうが適する可能性があります。乱視があれば、それも含めて処方・作製する選択肢があります。

さらに「30cm程度の細かな手作業を見る」「40cm程度で本を読む」「50~70cm程度でパソコン画面を見る」など、目的とする距離によって設計を考えられます。単に文字が拡大されることではなく、実際の生活で必要な距離へピントを合わせやすくすることが重要です。

最大の違いは左右の目を個別に合わせられるか

人間の左右の目は、必ずしも同じ状態ではありません。右と左で近視や遠視の程度が違ったり、片方だけ乱視が強かったりすることがあります。

既製老眼鏡は、個々の利用者について左右それぞれを測定して作られたものではありません。一方、眼鏡店で個別に作る場合は左右それぞれに必要なレンズを設定できます。

例えば右目に適した補正と左目に適した補正が違う人の場合、既製品では「文字は一応読めるけれど長時間使うと疲れる」と感じることがあります。このようなケースでは、自分の目に合わせた眼鏡を検討する価値があります。

乱視がある場合にも違いが出やすい

老眼鏡が必要になる年代だからといって、見えにくさの原因が老視だけとは限りません。近視、遠視、乱視などが同時に存在している人もいます。

一般的な既製老眼鏡は、「近くを見るためのプラス度数」を簡単に利用できることが長所ですが、一人ひとりの乱視まで個別に補正して作られているわけではありません。

そのため「+1.5なら近くは大きく見えるのに文字の輪郭がすっきりしない」「縦線と横線で見え方が違う」「片目だけぼやける」と感じる場合には、単純に老眼鏡の度数を上げるのではなく、眼科で目の状態を確認することが大切です。

フレームのフィッティングにも違いがある

眼鏡はレンズの度数だけでなく、顔に対してどの位置にレンズが来るかも重要です。鼻の高さ、顔幅、耳の位置などは人によって異なります。

眼鏡店ではフレームを選んだ後、鼻や耳への当たり方、傾き、左右の高さなどを調整してもらえます。毎日長時間使う場合には、このフィッティングが快適性に影響します。

既製品は完成した状態から選ぶため、自分の顔へうまく合えば便利ですが、合わない場合には「ずり落ちる」「こめかみがきつい」「まつ毛が当たる」といったこともあります。短時間の使用では気にならなくても、読書などで長く使うと差を感じる場合があります。

ダイソーだからレンズとして機能しないわけではない

価格差が非常に大きいため、「100円の老眼鏡は本当に見えるのか」と疑問に思うかもしれません。しかし適切な度数が使用者の目や用途に合っていれば、近くを見るための補助として機能します。

実際にダイソー公式ネットストアでは多数の老眼鏡が販売されており、例えば一部商品ではレンズ素材にアクリル樹脂が使用されています。[ダイソー公式・老眼鏡の商品例]

したがって「安い=度が入っていない」ということではありません。価格差は、個別測定、左右別の度数設定、乱視補正、レンズ設計・素材やコーティングの選択肢、フレーム、フィッティング、アフターサービスなどを含めて考える必要があります。

ダイソーと眼鏡屋の老眼鏡を比較

比較項目 ダイソーなどの既製老眼鏡 眼鏡店で個別に作る老眼鏡
価格 非常に安い商品がある フレーム・レンズなどにより幅がある
購入方法 完成品から選ぶ 測定してレンズ・フレームを選ぶ
左右差への対応 個人の左右差に合わせて作製されない 左右別の度数に対応可能
乱視 個人の乱視に合わせた作製ではない 必要に応じて補正可能
使用距離 用意された度数から選択 用途・距離を考慮して調整可能
フィッティング 基本的に既製サイズ 顔に合わせた調整を受けられる
予備用 非常に便利 ややもったいない場合もある
長時間使用 目に合うかによる 個別に合わせやすい

つまり「ダイソーは簡易な既製品、眼鏡店は自分の目と用途へ合わせる自由度が高い」という違いとして理解すると分かりやすいでしょう。

短時間ならダイソーの老眼鏡が便利なケースもある

左右差や乱視が少なく、市販の度数で快適に見える人なら、既製老眼鏡を短時間利用する方法は合理的です。特に老眼鏡を頻繁に置き忘れる人には価格面のメリットがあります。

例えばキッチンで食品パッケージの表示を見るために1本、リビングでスマートフォンを見るために1本、外出用バッグへ1本という使い方です。必要な場所へ複数置いておけます。

ただし「見えるから度数は合っている」とは限りません。必要以上に強い度数でも、ある距離では文字が大きくはっきり見える場合があります。無理なく見える距離や疲れ方まで確認することが大切です。

毎日長時間使うなら眼鏡店で作るメリットが大きい

読書、事務仕事、裁縫などで老眼鏡を長時間使用するなら、自分の目と作業距離に合わせて作るメリットが大きくなります。

例えばパソコンを一日数時間使う人が、スマートフォンを見る距離に合わせた強い老眼鏡をそのまま使用すると、画面との距離が合わず使いにくくなることがあります。「近くを見る」といっても30cmと70cmでは必要な条件が違います。

眼鏡店へ行く際には、「老眼鏡が欲しい」とだけ伝えるのではなく、何を見るために使うのか、対象物まで何cmくらいなのかを伝えると選びやすくなります。

老眼鏡を初めて買うなら眼科を先に検討したい理由

40代以降に近くが見えにくくなれば老視を疑うのは自然ですが、見えにくさのすべてを「年齢だから老眼だろう」と自己判断するのはおすすめできません。

日本眼科学会の「成人の視力検査および眼鏡処方に関する手引き」では、屈折・視力の測定は眼科診療の基本であり、視力検査の結果は眼疾患の発見やスクリーニングにつながる情報を与えると説明されています。[日本眼科学会・成人の視力検査および眼鏡処方に関する手引き]

特に初めて近くが見えにくくなった場合や、片目だけ見えにくい、急に視力が変わった、視野がおかしい、物がゆがむ、目の痛みがあるなどの症状がある場合は、老眼鏡を買って済ませず眼科を受診してください。

「度数を強くすればよく見える」とは限らない

既製老眼鏡を試すと、+1.0より+2.0のほうが文字が大きく鮮明に感じることがあります。しかし、強ければ強いほど優れているわけではありません。

老眼鏡の度数と見やすい距離には関係があります。必要以上に強くすると、かなり近い位置では見えても、少し離したスマートフォンやパソコン画面が見づらくなることがあります。

例えば本は快適なのにパソコンがぼやけるなら、「老眼がさらに進んだからもっと強い度数が必要」とは限りません。単に眼鏡が想定している距離と作業距離が合っていない可能性があります。

遠近両用・中近・近々などは既製老眼鏡とは別の選択肢

眼鏡店で作るメリットは、単焦点の老眼鏡だけに限りません。生活スタイルによっては遠近両用、中近、近々など複数の距離を見ることを考えたレンズも候補になります。

例えば会議で手元の資料を読みながら少し離れた人の顔も見たい場合、近距離専用の老眼鏡では、そのたびに眼鏡を外す必要が出ることがあります。仕事の内容によっては別のレンズ設計のほうが便利です。

逆にベッドで本を読むだけなら、複雑な設計が必ず必要というわけではありません。高価なものほど優れていると考えるのではなく、用途に合った眼鏡を選ぶことが重要です。

ダイソーの老眼鏡がおすすめな人・眼鏡店がおすすめな人

状況 選び方の目安
値札などを短時間見る 既製老眼鏡も便利
外出時の予備が欲しい 既製老眼鏡が便利
家の各部屋へ置きたい 既製老眼鏡を活用しやすい
毎日数時間使用する 個別に合わせた眼鏡を検討
左右で見え方が違う 眼科で確認し、個別作製を検討
乱視がある 個別作製が適する可能性が高い
パソコン仕事で使う 作業距離に合わせて作ると便利
初めて急に見えづらくなった まず眼科で状態を確認

「100円ショップか眼鏡屋か」の二者択一にする必要もありません。普段使いは眼鏡店で作ったもの、外出先で忘れたときの予備は既製老眼鏡、という使い分けもできます。

まとめ:価格以上に「自分の目に合わせて作られているか」が大きな違い

ダイソーなどで購入できる老眼鏡と眼鏡店で作る老眼鏡は、どちらも近くを見ることを補助する眼鏡ですが、商品の考え方が異なります。ダイソーの老眼鏡は用意された度数・フレームから選ぶ既製品なので、安価ですぐ購入できることが大きなメリットです。

一方、眼鏡店で個別に作る場合は、左右の度数差や乱視、使用したい距離などを考慮してレンズを選び、顔に合わせたフレーム調整も受けられます。「たまに数分使う予備」なら既製老眼鏡、「毎日長時間使う道具」なら自分の目と用途に合わせた眼鏡を検討する、という使い分けが一つの目安です。

また、老視は年齢とともに多くの人に起こりますが、見えにくさの原因が必ず老視だけとは限りません。初めて見え方の変化を感じたときや、片目だけ見えにくい、急に見え方が変わったなど気になる症状がある場合は、先に眼科で目の状態を確認すると安心です。

老眼鏡は単純に「高いか安いか」ではなく、どの距離を、どれくらいの時間、どの程度快適に見たいのかで選ぶものです。既製品の手軽さと個別作製の快適さを理解し、自分の生活に合った方法を選びましょう。

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