軟骨ピアスが腫れたときの対処法|アウターコンクのシャフトが埋まりそうな場合はどうする?

ピアス

軟骨ピアスを開けて数週間すると、多少の痛みや刺激感が残っていることはあります。しかし、いったん落ち着いていた部位が目に見えて腫れてきたり、ジンジンとした痛みが強くなったり、ピアスのシャフトに余裕がなくなったりした場合は注意が必要です。

特にアウターコンクなど耳介軟骨のピアスでは、単なる刺激による腫れだけでなく感染が起きることがあり、軟骨周囲炎などへ進行すると治療が必要になります。また、腫れに対してシャフトが短すぎると、ジュエリーが組織へ食い込んだり埋没したりする可能性もあります。

「腫れてシャフトがほとんど見えない」「キャッチが付けられない」という状態では、自分で無理にキャッチを押し込んだり、ジュエリーを交換したりせず、医療機関で感染や埋没の危険がないか確認してもらうことが重要です。この記事では、新しい軟骨ピアスが腫れる原因と、ジュエリーがきつくなった場合の考え方を解説します。

軟骨ピアスは開けて3週間ならまだ治癒途中

ピアスホールは、見た目に穴ができた時点で完成しているわけではありません。ピアッシング直後の組織は傷として治癒している途中であり、刺激によって赤み、軽い腫れ、圧痛などが生じることがあります。

そのため開けて3週間程度で「触ると少し痛い」というだけなら、それだけで感染とは判断できません。一方、目に見えて腫れが強くなってきた、熱っぽい、痛みが増しているといった変化は、通常の治癒反応だけとは限りません。

Cleveland Clinicでは、ピアス感染の症状として赤み、腫れ、熱感、痛みや圧痛、膿などを挙げています。特に耳の上部にある軟骨は耳たぶより血流が少なく、感染が問題になりやすい部位とされています。[参照:Cleveland Clinic]

「後ろからシャフトが1mmしか出ていない」は余裕が少ない状態

ファーストピアスのシャフトには、初期の腫れを受け止められるだけの適切な余裕が必要です。Association of Professional Piercers(APP)も、初期ジュエリーはその人の身体やピアス位置に適した長さである必要があり、短すぎるジュエリーは腫れや埋没などのトラブルにつながると説明しています。[参照:Association of Professional Piercers]

例えば、通常はシャフトに余裕があったのに腫れによって前後の余裕がほぼなくなっているなら、ジュエリー自体が急に短くなったわけではなく、腫れた組織がシャフトの長さを使い切りつつあると考えられます。

さらにキャッチを取り付ければ、そのキャッチが耳を圧迫する可能性があります。キャッチを付けるために腫れた耳を押し込んだり、強く圧迫して固定したりするのは避けた方が安全です。

短いシャフトを無理に使い続けると埋没することがある

ジュエリーがきつい状態では、腫れた組織へピアスの前後が食い込んでいくことがあります。APPは、短すぎるジュエリーでは腫れや埋没などの合併症が起こりやすくなるとしています。

例えば最初はシャフトが少し見えていても、さらに腫れが進めば翌日には前側または後ろ側のパーツが皮膚に食い込み、見えにくくなる可能性があります。完全に組織へ埋没すると、自分では安全に取り外せなくなることがあります。

Cleveland Clinicも、ピアスやキャッチが動かない、あるいは耳へ埋まり込んだ場合を医療機関へ相談すべき状態として挙げています。[参照:Cleveland Clinic]

では長いシャフトへ自分で交換すればよいのか

腫れに対してジュエリーが短い場合、「長いシャフトへ交換すれば圧迫がなくなる」と考えるのは自然です。実際、適切な長さのジュエリーを使用すること自体は重要です。

ただし、開けて間もないうえに腫れや痛みが出ているピアスを、自宅で無理に抜いて長いシャフトへ交換することは別問題です。治癒途中のホールを傷つけたり、ジュエリーが通らなくなったり、感染が疑われる状態への対応を遅らせたりする可能性があります。

APPも、治癒途中で必要となるジュエリー交換については、資格・経験のあるピアサーに依頼するよう案内しています。また感染が疑われる場合は、ジュエリーを残すべきか適切な代替品へ変更するべきかについて医師へ相談するよう勧めています。[参照:Association of Professional Piercers]

感染が疑われる場合に勝手にピアスを抜かない

「腫れているならピアスを抜けば治るのでは」と考えることもありますが、感染が疑われるピアスでは自己判断で外すことが必ずしも適切とは限りません。

英国NHSでは、感染が疑われるピアスについて速やかに医療機関へ相談し、医師から外すよう指示されない限りジュエリーを入れたままにするよう案内しています。[参照:NHS]

一方で、ジュエリーが組織へ埋まり始めている場合などは医療者による除去が必要になることがあります。つまり「必ず残す」「必ず抜く」のどちらかを自己判断するのではなく、現在の耳の状態を確認したうえで判断することが重要です。

軟骨ピアスの感染は耳たぶより慎重に考える

アウターコンクは耳たぶではなく軟骨部分です。軟骨ピアスで特に注意したい合併症の一つが、耳介軟骨を覆う組織に感染が生じる「耳介軟骨膜炎(perichondritis)」です。

Cleveland Clinicによると、耳介軟骨膜炎では外耳の痛み、赤み、腫れなどが現れ、耳の高い位置へのピアッシングは代表的な原因の一つです。治療が遅れて膿瘍などが形成されると、軟骨への血流が障害され、軟骨損傷や耳の変形につながる可能性があります。[参照:Cleveland Clinic]

もちろん「軟骨ピアスが腫れた=耳介軟骨膜炎」という意味ではありません。しかし耳たぶの軽い炎症と同じ感覚で長期間放置するのは避け、悪化傾向があるなら医療機関へ相談した方が安全です。

腫れ・痛み・熱感が強くなっているなら受診を優先する

NHSでは、ピアス周囲が腫れて痛い、熱を持つ、強く赤くなる、血液や白・黄・緑色の膿が出る、発熱・悪寒・全身の体調不良があるといった症状を感染のサインとして挙げています。[参照:NHS]

特に軟骨部分全体へ赤みや腫れが広がる、痛みが増している、耳が熱い、膿が出る、ジュエリーが皮膚へ沈み始めているといった場合は、ピアスショップだけで済ませず、皮膚科・耳鼻咽喉科などの医療機関へ早めに相談することが大切です。

発熱や悪寒など全身症状がある場合や、急速に腫れが悪化している場合も、様子見を続ける状況ではありません。感染していれば抗菌薬などの医学的治療が必要になることがあります。

キャッチが外れた状態で無理に付け直さない

キャッチがなくなってしまった場合、ピアスが抜け落ちることは心配になります。しかし、腫れによってシャフトがほとんど残っていないところへキャッチを強引に取り付けると、さらに組織を圧迫する可能性があります。

また何度もピアスを前後へ動かしたり、キャッチを付けようとして触り続けたりすると、治癒途中の組織へ追加の刺激を与えることになります。

「キャッチを付ける余裕がないほど腫れている」という時点で、固定方法を自宅で工夫するより、埋没する前に専門家へ確認してもらうことを優先してください。

受診までの間はできるだけ触らない

状態を確認したくなって何度も触ると、そのたびに刺激が加わります。触る必要がある場合には手をよく洗い、不必要に回したり前後へ動かしたりしないようにします。

APPのアフターケアでは、市販の無添加の滅菌生理食塩水を用いたケアが案内されています。一方、自分で濃度を推測して作った強い塩水や、刺激の強い消毒剤を繰り返し使用すると、かえって組織を刺激する可能性があります。[参照:Association of Professional Piercers]

また就寝時に患側の耳を下にして長時間圧迫することや、ヘッドホン、帽子、髪などが繰り返し引っ掛かる状態もできるだけ避けます。

「長ければ長いほど安全」というわけでもない

腫れに対応する余裕は必要ですが、シャフトは長ければ長いほど良いわけではありません。長すぎるジュエリーは衣服や髪に引っ掛かりやすく、前後に動いてホールへ刺激を与える原因になります。

APPでは、初期の腫れが落ち着いた後に長すぎるジュエリーを適切な長さへ変更する「ダウンサイジング」の重要性も説明しています。長すぎるジュエリーは引っ掛かりや過剰な動きを起こし、再び刺激や腫れを生じさせる可能性があります。[参照:Association of Professional Piercers]

つまり理想は「短いシャフト」でも「極端に長いシャフト」でもなく、現在の腫れと耳の厚みに適した長さです。治癒途中の交換は経験のあるピアサーに任せ、感染が疑われる場合には先に医療機関へ相談するのが安全です。

まとめ:軟骨ピアスが腫れてシャフトに余裕がないなら放置しない

開けて数週間の軟骨ピアスには多少の痛みや軽い腫れが生じることがありますが、目に見えて腫れが強くなる、ジンジンする痛みが出る、シャフトの余裕がほとんどなくなるといった変化がある場合は注意が必要です。

シャフトが短すぎる状態では、腫れがさらに進んだ際にジュエリーが組織へ食い込んだり埋没したりする可能性があります。一方、治癒途中で腫れているピアスを自分で無理に長いシャフトへ交換することにもリスクがあります。

さらにアウターコンクは軟骨部位であり、感染を放置すると耳介軟骨膜炎など重いトラブルにつながることがあります。赤み・熱感・痛み・腫れが増している、膿が出る、発熱する、ジュエリーが埋まりそうといった場合は早めに医療機関を受診してください。

キャッチを付けるスペースがほとんどないほど腫れている場合は、「そのまま治るまで待つ」「自分でキャッチを押し込む」「自分でジュエリーを抜いて交換する」のいずれかを自己判断するより、まず医療機関で状態を確認してもらうことが安全です。感染が否定され、単純にジュエリーのサイズ調整が必要と判断できる場合には、経験のある専門ピアサーへ適切なサイズへの交換を相談するとよいでしょう。

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