耳たぶにピアスホールを開けるためのピアッサーには、あらかじめファーストピアスがセットされています。一見すると、使用後の本体へ新しいピアスをセットすればもう一度使えそうに見える製品もありますが、一般的な使い捨てピアッサーは1回限りの使用を前提とした医療機器です。
そのため、片耳のピアスホールを閉じたあとにもう一度開けたい場合でも、使用済みピアッサーへ「替えのピアス」だけを装着して再使用するのではなく、新しい未使用品を用意するのが基本です。また、一度トラブルが起きた場所を開け直す場合には、単純な新規ピアッシングとは異なる注意点があります。
この記事では、ピアッサーとファーストピアスの仕組み、使い捨てになっている理由、片耳だけ開け直したい場合の選択肢、再度開ける前に確認しておきたいポイントを整理します。
一般的なピアッサーはファーストピアス込みの使い切り製品
市販されているピアッサーの多くは、本体とファーストピアスが一体になった構造です。操作するとファーストピアスが耳たぶを通過し、キャッチが装着される仕組みになっています。
このファーストピアスは、ホールが完成したあとに使用する一般的なファッションピアスとは役割が異なります。開けた直後の傷が治癒してピアスホールが安定するまで装着することを前提に、軸の長さや太さなどが設定されています。
そして重要なのが、使用後の本体へ市販のファーストピアスを補充して再使用する製品ではないという点です。再装填用の替えピアスを探すのではなく、製品の添付文書に従って新品を使用します。
ピナックも基本的には再使用するものではない
「ピナック」は耳たぶ用ピアッサーとして販売されている製品で、ファーストピアスがセットされた状態で使用します。2個入りの商品で両耳を開ける場合、それぞれのピアッサーを片耳ずつ使用する形になります。
ピアッサーは衛生管理された状態で提供される使い切りの製品です。一度使用した本体に別のピアスを取り付け、もう一度耳へ使用することを前提にはしていません。
そのため、片耳だけを再度開けたい場合には、片耳用として販売されている新品のピアッサーを選択できます。両耳用の商品を再び購入しなければならないとは限らないので、販売店では個数も確認するとよいでしょう。
なぜ「替えのファーストピアス」だけでは再使用できないのか
理由の一つは衛生面です。ピアッシングでは皮膚を貫通するため、使用する器具には適切な衛生管理が求められます。一度使用した器具には血液や体液が付着する可能性があり、家庭で表面を拭いた程度では新品と同じ状態には戻せません。
もう一つは、ピアッサーそのものが一度作動させることを想定した構造になっていることです。使用後に見た目上セットできそうだったとしても、それがメーカーの想定した正常な使用方法であるとは限りません。
一般的なアクセサリー用ピアスをセットして代用することも避けるべきです。軸の形状や長さなどがファーストピアスとは異なるうえ、ピアッサーとの組み合わせも保証されません。
ピアスホールがトラブルで閉じた場合はすぐ同じ場所を開け直さない
片耳が腫れた、痛くなった、出血したなどの理由でピアスを外し、ホールが閉じた場合には注意が必要です。表面上は穴がなくなっていても、内部の組織まで完全に治癒しているとは限りません。
特に赤み、腫れ、熱感、痛み、膿のような分泌物などが残っている状態では、新しく開けることより先にトラブルへの対応が必要です。症状が強い、悪化する、長引く場合には皮膚科などの医療機関へ相談してください。
また、傷痕として硬い部分や盛り上がりが残ることもあります。そのような組織へ自己判断で再度ピアッサーを使用するのは避け、医療機関へ相談したほうが安全です。
「塞がったように見える」だけの場合もある
ピアスホールは、外側だけが閉じて内部には通り道が残っている場合があります。この状態で一般的なピアスを強引に押し込むと、皮膚を傷つけたり、本来のホールとは異なる方向へ進んだりする可能性があります。
反対に完全に閉鎖している場合には、再度ピアッシングが必要になります。外見だけでどちらなのか判断しにくいこともあります。
「少し押せば入りそう」と感じても、痛みや強い抵抗がある状態で無理に貫通させるのは避けましょう。再開通できる状態なのか、新しく開ける必要があるのか分からない場合には専門家へ相談する方法があります。
同じ位置に開け直せるとは限らない
以前のピアスホールが完全に治ったとしても、まったく同じ場所へ再度開けることが適切とは限りません。傷痕やしこりなどが残っていれば、位置をずらしたほうがよいケースも考えられます。
左右対称にしたい場合には以前の穴を目印にしたくなりますが、見た目だけで位置を決めるのではなく、耳たぶの厚さや既存の瘢痕なども考慮する必要があります。
特に前回その場所でトラブルが起きたのであれば、「以前と同じ場所だから大丈夫」とは考えず、なぜトラブルになったのかも含めて確認しておくことが大切です。
前回トラブルになった原因も確認しておく
再度開ける前には、前回なぜトラブルが起きたのかを振り返ることも重要です。開けた位置だけでなく、ピアスへの刺激、圧迫、金属への反応、日常生活で引っ掛けたことなど、さまざまな要因が考えられます。
例えば就寝中に耳を強く圧迫していたり、衣類やタオルへ頻繁に引っ掛けていたりすると、開けたばかりのホールへ負担がかかります。また、必要以上に触ることも刺激になります。
金属に触れた部分で繰り返し皮膚症状が起こる場合には、金属アレルギーなどについて医療機関へ相談することも検討してください。原因を確認せず同じ条件で開け直すと、再び同様の症状が起こる可能性があります。
開け直しは医療機関という選択肢もある
ピアスの穴開けは、日本では医療行為として扱われます。特に一度トラブルになった耳を再度開けたい場合には、ピアス穴あけに対応している皮膚科・美容皮膚科などへ相談する選択肢があります。
医療機関なら、以前のホールの状態や傷痕を確認したうえで、再度開けられる状態か、位置を変更したほうがよいかなどについて相談できます。
費用は医療機関によって異なり、自由診療となる場合があります。受診前に「片耳だけのピアス穴あけに対応しているか」「以前トラブルで閉じた場所を診てもらえるか」を確認するとスムーズです。
新品のピアッサーを選ぶ場合は対応部位を確認する
市販品を購入する場合には、単純にデザインだけを見るのではなく、耳たぶ用なのか軟骨用なのかなど、製品の対応部位を必ず確認します。
さらにファーストピアスの素材、軸の太さ、軸の長さなども製品によって異なります。以前使用した商品と名称が似ていても仕様が同一とは限らないため、パッケージや添付文書を確認してください。
また使用方法については、その製品のメーカーが示している説明を優先します。自己流で分解したり、別製品の部品を組み合わせたりしないことが重要です。
通常のピアスへの交換はホールが安定してから
新しく穴を開けた直後に、ファーストピアスを好みのファッションピアスへ交換することは避けます。新しいピアスホールは完成した穴ではなく、皮膚にできた傷が治癒していく途中だからです。
見た目に赤みがなくなっただけで完全に安定したとは限りません。ファーストピアスを外す時期については、使用した製品の説明や医療機関から受けた指示に従いましょう。
交換時に痛み、出血、腫れなどがある場合にも無理をせず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
まとめ:使用済みピアッサーに替えピアスを入れるのではなく新品を使う
一般的なピアッサーは、ファーストピアスを交換しながら何度も使う器具ではありません。一度作動させた使い捨てピアッサーは再使用せず、もう一度開ける場合には新品を使用するのが基本です。
片耳だけ必要なら、1個入り・片耳用として販売されている製品を選べる場合があります。そのため「両耳用を使ったから、次も必ず2個セットを買う」というわけではありません。
ただし、以前トラブルになって閉じたホールについては、新しいピアッサーさえ用意すればすぐ開け直してよいとは限りません。赤み、腫れ、痛み、分泌物、しこりなどが残っている場合は再ピアッシングを避け、医療機関へ相談しましょう。
特に同じ位置へ開け直したい場合には、以前の傷が十分に治癒しているかの判断も重要です。新品の器具を使用することに加えて、前回のトラブルの原因と現在の耳の状態を確認してから再度開けることが、安全にピアスを楽しむうえで大切です。


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