ピアスを着けていると、腫れによってピアスのヘッドやキャッチが皮膚に食い込み、部分的または完全に埋まってしまうことがあります。さらに、自分で強く引っ張って取り出した場合は、ピアスホール周辺に裂傷や出血、腫れが生じることもあります。
このような状態になったからといって、必ずピアスホールを永久に塞がなければならないとは限りません。一方、傷ついたホールへ無理にピアスを戻すと傷を広げたり、感染を悪化させたりする可能性があります。まずはピアスホールを維持することより、傷の状態を確認することが重要です。
この記事では、ピアスが埋没する理由、自分で取り出した後の対応、ピアスホールを残せる可能性、医療機関を受診したほうがよい症状について解説します。
ピアスのヘッドが皮膚の中に入る「埋没」とは
ピアスの飾りやキャッチが皮膚の中へ食い込んでしまう状態は、一般にピアスの埋没などと呼ばれます。特に開けたばかりのピアスホールは腫れやすく、軸の長さに余裕がないジュエリーでは、腫れた組織がヘッドを覆ってしまうことがあります。
原因は一つとは限りません。強い腫れ、短すぎるポスト、ヘッドが小さすぎるジュエリー、就寝時などの圧迫、引っ掛けによる外傷、感染などが関係する場合があります。
例えば、ピアスを開けた直後に耳が大きく腫れたのに短い軸のピアスを使用していると、ヘッドと皮膚の間の余裕がなくなります。その状態でさらに腫れると、皮膚がヘッドを包み込むようになることがあります。
無理やり取り出した直後は「ホールを残すこと」より傷の確認を優先する
埋まったピアスを強く引っ張って取り出した場合、元々のピアスホールとは別に周囲の皮膚まで傷ついている可能性があります。出血している場合は、清潔なガーゼなどを使って優しく圧迫し、止血します。
傷口は清潔に保つことが大切です。触る前には手を洗い、必要以上に触ったり、傷口をいじったりしないようにします。傷を消毒し続ければ早く治るとは限らないため、自己判断で刺激の強い薬剤を何度も使用するのも避けたほうが無難です。
特に避けたいのが、傷ついたホールへピアスを力任せに差し戻すことです。入口が残っていても内部が腫れて狭くなっている場合があり、押し込むことで再出血や組織の損傷につながることがあります。
一度埋まったピアスホールは必ず塞ぐ必要がある?
ピアスが一度埋没したという事実だけで、そのホールを今後一切使用できないと決まるわけではありません。問題になるのは、現在どの程度傷ついているのか、感染していないか、ホールがどこまで治癒していたのかという点です。
十分に完成したピアスホールで、周囲の損傷が軽いケースと、開けて間もない未完成のホールを大きく傷つけたケースでは状況が異なります。後者ではジュエリーを外している間にホールが急速に狭くなったり閉じたりすることがあります。
ただし「塞がるのが嫌だから」と傷口へ無理にピアスを通すことはおすすめできません。ホールを維持できるかどうかは、傷の状態を確認したうえで判断する必要があります。状態が分からない場合は皮膚科などの医療機関へ相談すると安全です。
ピアスを外したら穴はすぐ塞がるのか
ピアスホールが閉じる速度には大きな個人差があります。また、開けてからどのくらい経過しているかによっても異なります。
開けて間もないホールはまだ完全な通り道として安定していないため、ジュエリーを外すと比較的短期間で狭くなる可能性があります。一方、長期間安定していたホールでは、外した直後に完全に閉じるとは限りません。
ただし今回のように外傷や腫れがある場合、通常の安定したホールと同じようには考えられません。傷が治る過程で組織が変化するため、ピアスホールが狭くなったり閉じたりする可能性があります。
同じピアスをすぐ入れ直すのは避けたほうがよい
ヘッドが埋まるほど腫れていた場合、同じジュエリーを再び装着すると同じ問題を繰り返す可能性があります。特に軸が短いことが原因だった場合は、腫れるための余裕がありません。
また、無理に取り出した直後は組織が傷ついています。ピアスを押し込むと傷をさらに広げたり、細菌を傷の奥へ持ち込んだりする可能性があります。
ホールをどうしても維持したい場合でも、自分で何度もジュエリーを出し入れするのではなく、医療機関で現在の傷の状態を確認してもらうほうが安全です。
腫れ・赤み・痛みがあるときに注意したい感染のサイン
ピアス周辺は、単純な刺激だけでも赤くなったり多少腫れたりすることがあります。そのため、赤みがあるだけで感染とは断定できません。
一方で、赤みや腫れが広がっていく、熱を持っている、痛みが強くなっていく、膿のような分泌物が出る、悪臭がするといった変化があれば感染を疑う必要があります。
発熱や悪寒、体調不良を伴ったり、赤みが周囲へ広がったりする場合は、早めに医療機関へ相談してください。症状が急速に悪化している場合には、様子見を続けないことが重要です。
軟骨ピアスの場合は特に慎重に
耳たぶではなく耳介軟骨のピアスで問題が起きている場合は、より慎重な対応が必要です。軟骨部分の感染は耳たぶの表面的な炎症とは異なり、重症化すると治療が必要になることがあります。
軟骨部分が強く赤く腫れている、熱感がある、ズキズキした強い痛みが続く、膿が出ているといった場合は、自己処置だけで済ませず医療機関を受診することが重要です。
また、ピアスの一部がまだ皮膚の中に残っている可能性がある場合も、自分で切開したり針で探したりせず、医療機関で確認してもらいましょう。
ピアスを取り出した後に受診したほうがよいケース
無理に取り出したことで皮膚が大きく裂けた場合や出血がなかなか止まらない場合は、傷そのものの処置が必要になる可能性があります。
また、ピアスを取り出したつもりでも一部が残っている、皮膚の下に硬い異物のようなものを感じる、腫れによって状態を確認できない場合にも医療機関への相談が適しています。
強い腫れ、増悪する痛み、膿、広がる赤み、発熱、止まらない出血、軟骨部分の強い炎症などがある場合は、ピアスホールを残せるかどうかより受診を優先してください。
傷が治った後にもう一度ピアスを開ける選択肢もある
現在のホールを維持できなかったとしても、それで今後ピアスができなくなるとは限りません。傷が十分に治癒した後、状態によっては改めてピアスを開けられる場合があります。
ただし、同じ位置へ再び開けられるか、少し位置をずらす必要があるかは、瘢痕などの状態によって異なります。傷が治る前に自分で開け直すことは避けましょう。
特に以前にケロイド状の盛り上がりが生じたことがある場合や、大きなしこりが残った場合には、再度開ける前に皮膚科や形成外科などへ相談する方法があります。
再発を防ぐためにピアスのサイズも見直す
今回の埋没が強い腫れやジュエリーのサイズによって起きたのであれば、傷が治った後も同じ条件のピアスを使用すると再発する可能性があります。
特にヘッドが極端に小さいものや、皮膚との間に余裕がほとんどない短いポストは、腫れたときに食い込みやすくなります。一方で、単純に長ければ安全というものでもなく、部位や治癒段階に適したサイズを選ぶ必要があります。
金属による接触皮膚炎が疑われる場合には素材についても見直す必要があります。繰り返し炎症を起こす場合は、単なるサイズの問題と決めつけず医療機関で相談するとよいでしょう。
まとめ:無理に取り出したピアスホールは、まず傷を治すことを優先する
ピアスのヘッドが皮膚に入り込み、それを無理に取り出した場合でも、その時点で必ずピアスホールを永久に塞がなければならないわけではありません。傷が軽ければ、治癒後もホールが残る可能性はあります。
ただし、傷ついた直後にホールを維持しようとしてピアスを無理に押し戻すのは避けるべきです。まず清潔を保ち、出血や腫れ、痛み、赤み、膿などの状態を確認します。
特に、強い腫れや痛みが悪化している、膿が出る、赤みが広がる、発熱する、出血が止まらない、軟骨部分が強く腫れている、ピアスの一部が皮膚内に残っている可能性がある場合には医療機関を受診してください。
ピアスホールを残すか塞ぐかは、傷の程度や感染の有無を確認してから判断できます。ホールが閉じることを恐れて無理な自己処置をするより、まず組織をきちんと治すことが、結果的に再び安全にピアスを楽しむための近道です。


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