初代「三つ目」G-SHOCKとして知られるDW-5900Cには、1990年に海外で先行展開された個体と、1992年に日本国内で正式展開された個体があり、裏蓋の生産国表記や防水表記に違いが見られます。そのためヴィンテージ個体を探していると、「DW-5900C-9Vはマレーシア製ばかりなのか」「200M表記の日本製は存在するのか」「国内版20BARとは別物なのか」と疑問が生じやすいモデルです。
カシオ公式のG-SHOCKヒストリーでは、DW-5900Cは1990年に海外で先行発売され、1992年に日本国内で注目を集めたモデルとされています。日本では1992年10月にDW-5900C-1とゴールド液晶のDW-5900C-9が発売されたことも当時の資料で確認できます。[参照:CASIO G-SHOCK公式]
結論から整理すると、海外向けのDW-5900C-9Vについても「JAPAN T」と記された日本製個体の存在を示す中古流通記録・コレクター記録があります。したがって「9Vはすべてマレーシア製」とは言い切れません。ただし、当時の生産国別数量や9Vの日本製・マレーシア製の比率をカシオが公表した一次資料は確認できないため、どちらが何本存在したかまでは断定できません。
- DW-5900Cは1990年に海外で先行発売された
- 日本国内では1992年10月にDW-5900C-1とDW-5900C-9が発売
- DW-5900C-9Vの「V」は海外向け型番で見られる末尾記号
- DW-5900C-9Vにも日本製とされる個体記録がある
- 「Japan T」とは裏蓋で確認できる重要なポイント
- 200M表記と20BAR表記は防水性能そのものが違うわけではない
- DW-5900Cの200MはFROGMANの「200m潜水用防水」とは意味が異なる
- 国内版DW-5900C-9には20BAR・JAPAN Tの個体が確認されている
- 200M表記でも日本製のDW-5900Cは存在する
- なぜマレーシア製DW-5900C-9Vを多く見かけるのか
- 海外版と国内版を大まかに整理
- 中古購入では型番より裏蓋写真を優先する
- ベゼルとベルトは交換されている可能性が高い
- DW-5900C-9V日本製は希少と考えて探したほうがよい
- 1990年製か1992年製かも出品情報だけでは断定しにくい
- 200Mと20BARのどちらがコレクション価値が高いか
- 防水性能は現在も20BARあるとは考えないほうがよい
- まとめ:DW-5900C-9Vにも日本製個体の記録があり、200M=マレーシア製とは限らない
DW-5900Cは1990年に海外で先行発売された
DW-5900Cは、現在のG-SHOCKを象徴する「三つ目」デザインの原点となったモデルです。カシオ公式では、1990年にまず海外市場で発売され、アメリカ西海岸のスケーターなどから支持されたと説明されています。[参照:CASIO公式]
当時の日本では現在ほどG-SHOCKが一般的ではなく、海外モデルが先に人気を獲得しました。その人気を背景に、日本でも逆輸入品が注目されるようになります。
HODINKEE JapanによるG-SHOCK史の取材記事では、1990年に海外先行発売されていたDW-5900Cについて、カシオが海外部門などと連携し、正規の逆輸入モデルとして300本限定で国内販売した経緯も紹介されています。[参照]
日本国内では1992年10月にDW-5900C-1とDW-5900C-9が発売
海外での人気を受け、日本市場では1992年にDW-5900Cが本格展開されました。WATCHNAVIのG-SHOCK年表では、DW-5900C-1とDW-5900C-9がともに1992年10月発売、当時の価格は9,800円と記録されています。[参照:WATCHNAVI]
DW-5900C-9はゴールド系の液晶とロゴ配色を特徴とするバリエーションで、黒を基調としたケース・ベゼルにゴールド表示が組み合わされています。
したがって「1990年の海外版」と「1992年の国内版」は、同じDW-5900C系統でも販売市場・販売時期・末尾記号・裏蓋表記などを区別して見る必要があります。
DW-5900C-9Vの「V」は海外向け型番で見られる末尾記号
ヴィンテージG-SHOCKでは、同じ基本モデルでも販売地域によって型番末尾が異なる例があります。DW-5900C-9Vという表記は海外流通品で確認される型番です。
一方、日本国内向けとして資料に掲載されている1992年モデルはDW-5900C-9と表記されています。そのため中古市場で「DW-5900C-9」と「DW-5900C-9V」が混在している場合、単純な色違いというより販売地域・仕様表記の違いを含んでいる可能性があります。
ただし古いG-SHOCKでは、出品者が商品名を簡略化して「DW-5900C-9」とだけ記載することも多いため、型番だけで完全に判別するのではなく裏蓋を確認することが重要です。
DW-5900C-9Vにも日本製とされる個体記録がある
海外版DW-5900C-9Vについてはマレーシア製の個体が中古市場で多く確認されますが、日本製が存在しないわけではないと考えられます。
中古時計取引情報を集約するWatchChartsには、DW-5900C-9Vとして出品された個体について、生産国がJapan、裏蓋系統が「Japan T」とされる販売記録が残っています。[参照]
またヴィンテージG-SHOCKのコレクターコミュニティでも、「DW-5900C-9V Japan T」という個体が記録されています。これらはカシオ公式の製造台帳ではないため絶対的な証明資料とはいえませんが、少なくとも日本製9Vとされる現物が市場・コレクター間で確認されてきたことを示す材料にはなります。
「Japan T」とは裏蓋で確認できる重要なポイント
初期G-SHOCKでは、裏蓋に「JAPAN T」「JAPAN H」などの表記が見られることがあります。DW-5900C系ではJAPAN Tの個体が知られています。
この場合、ヴィンテージ個体を判定する際は、商品説明の「Made in Japan」という記述だけではなく、実際の裏蓋写真で表記を確認するのが安全です。
中古市場ではベゼルやベルトが交換されていることが多く、海外版の外装に国内版の本体が組み合わされている可能性もあります。そのため、ケースバック、モジュール番号、文字盤表示を総合して判断する必要があります。
200M表記と20BAR表記は防水性能そのものが違うわけではない
海外版でよく見られる「WATER 200M RESIST」と、日本向けで見られる「WATER 20BAR RESIST」は、数字だけを見ると別の防水性能に感じられます。
しかし200m級の防水性能と20気圧防水は、G-SHOCKの一般的な表記としてほぼ同じクラスを示します。つまり、200M表記だから海外版のほうが高性能、20BARだから国内版のほうが低性能という意味ではありません。
当時は販売地域に応じて防水表示の表現が異なっており、海外市場では「200M」、日本市場では「20BAR」という表記が採用された個体が見られます。
DW-5900Cの200MはFROGMANの「200m潜水用防水」とは意味が異なる
ここで注意したいのが、時計に書かれた200Mと、本格的なダイバーズウォッチの200m潜水用防水を同一視しないことです。
カシオ公式では、1993年のDW-6300 FROGMANについて「ISO規格に準拠した200m潜水用防水」を備えたG-SHOCK初のダイバーズシリーズと説明しています。[参照:CASIO公式]
したがってDW-5900Cに200Mと記載されていても、それによってISO準拠のダイバーズウォッチになるわけではありません。ヴィンテージ品では防水パッキンの経年劣化もあるため、現在実際に水中で使用する場合にはさらに注意が必要です。
国内版DW-5900C-9には20BAR・JAPAN Tの個体が確認されている
1992年国内向けDW-5900C-9については、「20BAR」表記と「JAPAN T」を備えた個体がコレクター市場で確認されています。
海外のG-SHOCKコレクターコミュニティでも、DW-5900C-9の「20BAR」「JAPAN T」仕様について希少なバリエーションとして紹介された記録があります。[参照]
この仕様は、日本国内販売モデルを見分けるうえで有力な特徴の一つです。ただし30年以上前の時計なので、文字盤・裏蓋・ケースが交換された個体については例外があります。
200M表記でも日本製のDW-5900Cは存在する
重要なのは、「200M=マレーシア製」と単純に対応するわけではない点です。
中古流通の記録には、DW-5900C系で「200M」表記かつ「Japan T」とされる日本製個体が存在します。WatchChartsにもDW-5900C-1の200M・Japan T個体の販売記録があります。[参照]
つまり、生産国と200M/20BAR表記は完全な一対一対応ではありません。販売地域向けの仕様と生産拠点を別々に考える必要があります。
なぜマレーシア製DW-5900C-9Vを多く見かけるのか
海外先行販売されたDW-5900Cは世界市場向けに大量流通したモデルです。そのため生産を日本国内だけでなく海外拠点でも行っていたとしても不自然ではありません。
特に現在の中古市場はアメリカやアジア各国で販売された個体が混在しているため、海外向け9Vを検索するとマレーシア製の個体が目立つことがあります。
ただし「現在マレーシア製を多く見かける」という事実から、「当時日本製9Vは作られていなかった」と逆算することはできません。生産数量・輸出地域・現存率・中古市場への出品数が異なるからです。
海外版と国内版を大まかに整理
| 項目 | 海外先行モデル | 日本国内モデル |
|---|---|---|
| 主な時期 | 1990年から | 1992年10月から |
| 型番例 | DW-5900C-9V | DW-5900C-9 |
| 防水表記 | 200Mが多い | 20BARが確認される |
| 生産国 | マレーシア製が多く流通、日本製記録もあり | JAPAN Tの日本製個体が知られる |
| 基本防水クラス | 20気圧相当 | 20気圧 |
| モジュール | 914 | 914 |
この表はヴィンテージ市場で確認できる代表的傾向を整理したものであり、すべての個体を例外なく分類できるという意味ではありません。
中古購入では型番より裏蓋写真を優先する
DW-5900C-9Vの日本製を探している場合、商品タイトルだけで判断するのはおすすめできません。
出品者によっては海外版・国内版を区別せず「DW-5900C-9」と記載したり、「DW-5900C」「Walter」といった通称だけで販売したりしています。
確認したいのは裏蓋の「JAPAN T」「MALAYSIA」などの生産国表記、200Mまたは20BAR、防水表記、モジュール番号914です。可能なら正面・裏面・ベゼル内側まで写真を確認するとよいでしょう。
ベゼルとベルトは交換されている可能性が高い
1990~1992年製のDW-5900Cは30年以上経過しており、純正ウレタン外装が劣化している個体も少なくありません。
そのため現在販売されている時計では、ベゼルやベルトだけ後年の補修部品・互換部品へ交換されている場合があります。
生産国を調べる場合は外装ではなく時計本体のケースバックを見ることが重要です。「外装が海外版らしいからマレーシア製」と判断することはできません。
DW-5900C-9V日本製は希少と考えて探したほうがよい
市場でマレーシア製9Vを多く見かけ、日本製9Vが少ないのであれば、現存する日本製9Vは相対的に探しにくい可能性があります。
実際、中古取引記録では「DW-5900C-9V Japan T」が希少個体として扱われる例があります。[参照]
ただし希少性を正確に数量化できる公式資料は確認できないため、「日本製は○本しかない」といった説明には根拠がありません。市場価格についても状態・オリジナル外装・付属品によって大きく変わります。
1990年製か1992年製かも出品情報だけでは断定しにくい
「9Vだから必ず1990年製」「9だから必ず1992年製」と単純化するのも注意が必要です。
海外版は1990年から販売されましたが、その後も流通した可能性があり、現在残っている個体の正確な製造年月を型番だけから判断できるとは限りません。
同様に中古サイトの商品説明に「1990」「1992」と書かれていても、出品者がモデルの発売年をそのまま製造年として記載している場合があります。購入時には発売年と個体の製造時期を分けて考えるのが安全です。
200Mと20BARのどちらがコレクション価値が高いか
性能面では同等クラスなので、200Mか20BARかによって実用品として優劣を付ける必要はありません。
一方、ヴィンテージG-SHOCKのコレクションでは、販売地域や当時の仕様が重要になるため、海外先行版の200Mや国内仕様の20BARそれぞれに価値があります。
「1990年海外仕様を集めたい」なら200Mの9V、「1992年日本国内仕様を集めたい」なら20BARのDW-5900C-9というように、自分がどの歴史を重視するかで選ぶのがよいでしょう。
防水性能は現在も20BARあるとは考えないほうがよい
ヴィンテージ品については、裏蓋に20BARまたは200Mと書いてあっても、新品時と同じ防水性能が現在保証されているわけではありません。
パッキン、ボタン周辺のシール、ケースなどは経年劣化します。電池交換時にパッキンが正しく交換されていない可能性もあります。
コレクション目的なら問題ありませんが、水中で使用したい場合は時計店やメーカー対応可否を確認し、防水試験を行ったうえで判断するほうが安全です。
まとめ:DW-5900C-9Vにも日本製個体の記録があり、200M=マレーシア製とは限らない
G-SHOCK DW-5900Cは、カシオ公式資料によると1990年に海外で先行発売され、その人気を受けて1992年に日本国内でも大きく展開された「三つ目」G-SHOCKです。日本国内では1992年10月にDW-5900C-1とDW-5900C-9が発売されています。[参照:CASIO公式]
海外向けDW-5900C-9Vではマレーシア製の個体を多く見かけますが、中古流通記録やヴィンテージG-SHOCKのコレクター資料には、DW-5900C-9Vで「JAPAN T」とされる日本製個体も確認できます。[参照]
したがって、「海外9V=必ずマレーシア製」「日本製=必ず国内20BAR仕様」と完全に分けることはできません。200M表記のJapan T個体もDW-5900C系で確認されており、生産国と防水表記は別々の要素として見る必要があります。
一方、1992年の日本向けDW-5900C-9については、20BAR表記・JAPAN Tの個体が知られています。200Mと20BARは基本的に同じ20気圧級の防水を異なる表現で記したもので、どちらかが上位仕様という意味ではありません。
ヴィンテージ個体を探す場合は、型番末尾だけで判断せず、裏蓋の「JAPAN T」「MALAYSIA」、200M/20BAR、モジュール914の表記を実物写真で確認するのが最も確実です。またカシオによる生産国別の製造本数資料は確認できないため、日本製9Vがどれほど少ないかについては「市場では珍しい」という範囲にとどめ、数量まで断定しないのが適切でしょう。


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