インナーコンクをニードルで開けた直後、「シャフト8mmで大丈夫なのか、それとも10mm程度必要なのか」と迷うことがあります。結論からいうと、インナーコンクのファーストピアスに適したシャフト長は一律に8mm・10mmと決められるものではありません。耳の軟骨の厚み、開けた位置、角度、ジュエリーの形状、これから生じる腫れを考慮して決める必要があります。特に開けたばかりの軟骨ピアスでは、現在ぴったりだから問題ないとは限らない点に注意が必要です。
インナーコンクの8mmは必ずしも短すぎるわけではない
シャフト8mmという数字だけを見て「短すぎる」と断定することはできません。耳の厚みには個人差があり、ピアスホールを通過する組織の厚さも位置や角度によって変わるからです。同じインナーコンクでも8mmで十分な余裕がある人もいれば、腫れを考慮するとより長いシャフトが必要になる人もいます。
Association of Professional Piercers(APP)は、ピアスの初期ジュエリーについて、治癒初期の腫れに対応するため、多くのピアスでは組織に対して余裕を持たせた長さが必要だと説明しています。短すぎるジュエリーは皮膚への埋没につながる可能性があるためです。[参照]
したがって、「インナーコンクなら8mm」「ファーストピアスなら10mm」という数字だけで判断するより、現在の耳の厚みに対して腫れる余地が残っているかを見ることが重要です。
開けた直後にぴったりの8mmなら注意が必要
ニードルで開けた直後、8mmのシャフトを装着して前後にほとんど余裕がなく、ジュエリーのディスクやボールが耳へ強く押し付けられている状態なら注意が必要です。これから腫れが強くなった場合、ジュエリーが組織を圧迫する可能性があります。
一方で、8mmを装着していても適切な余裕があり、ジュエリーが耳へ食い込んでいないのであれば、「8mmという数字だから即座に10mmへ交換しなければならない」とはいえません。必要な長さは実際の耳を見なければ判断できないからです。
例えば同じ8mmでも、耳の厚さが約5mmの位置を通っている場合と約7mmの位置を通っている場合では残される余裕が違います。さらにジュエリーの構造によって実際に使えるシャフト部分の考え方も変わるため、単純な数字比較だけでは不十分です。
8mmと10mmなら長い10mmを選べば安全とは限らない
「短いと埋まりそうだから、最初から長ければ長いほど安心」と考えるのも適切ではありません。初期の腫れに対応する余裕は重要ですが、必要以上に長いジュエリーには別の問題があります。
APPでは、初期の腫れが引いた後に長すぎるジュエリーを使い続けると、引っ掛かりや過度な動きによって刺激を受け、再び腫れたり治癒に悪影響を与えたりする可能性があるとして、必要に応じたダウンサイジングを推奨しています。[参照]
つまり理想は「短すぎず、必要以上に長すぎない長さ」です。開けた直後は腫れを考慮した長さを確保し、腫れが落ち着いた段階でプロに状態を確認してもらい、必要なら短いシャフトへ交換するという流れが基本になります。
ファーストピアスを自分で8mmから10mmへ交換するのは避けたい
開けたばかりで8mmが短そうに感じても、自分で外して10mmへ交換するのはおすすめできません。新しいピアスホールは外見上より内部が不安定で、交換時に傷つけたり、ジュエリーをうまく通せなくなったりする可能性があります。
APPも、治癒中にサイズ変更が必要になった場合には、資格や経験のあるプロのピアサーによる交換を勧めています。ピアスは外側が落ち着いて見えても内側の組織がまだ脆弱な場合があります。[参照]
特に「すでに前後の余裕がほぼない」「日に日にきつくなっている」「ボールやディスクが耳へ沈んできた」と感じるなら、完全に埋まってしまうまで様子を見るのではなく、できるだけ早く信頼できるピアススタジオなどで状態を確認してもらう方が安全です。
インナーコンクを開けた後に起こる腫れはどこまで正常?
新しいピアスでは、最初の時期に局所的な腫れ、圧痛、多少の出血や内出血などが起こることがあります。APPも初期にはこうした反応があり得ると説明しています。[参照]
そのため、開けた直後に少し赤い、触れると痛いというだけで感染と決めつける必要はありません。ただし、時間の経過とともに強く腫れる、熱を持つ、痛みが増す、膿が出る、体調が悪くなるといった変化には注意が必要です。
耳の軟骨部分の感染は軽視できません。NHSも、ピアス周辺が腫れて強く痛む、熱を持つ、非常に赤くなる、血液や膿が出る、発熱・悪寒や全身の不調がある場合を感染の兆候として挙げ、感染が疑われる場合には速やかな医療相談を勧めています。[参照]
「シャフトが埋まりそう」は早めに相談するサイン
腫れによってシャフトの余裕がなくなり、ピアスの表側または裏側が皮膚へ食い込み始めている場合は、単に「ファーストピアスだから腫れて当然」と放置しない方がよい状態です。短すぎるジュエリーによる圧迫は、さらに腫れを悪化させる可能性があります。
特にボールやフラットバック部分の輪郭が皮膚に深く沈む、ジュエリーの端が見えにくくなる、明らかに圧迫されて痛いという場合は、ジュエリーのサイズが現在の腫れに対応できていない可能性があります。
この場合も、自分で無理にジュエリーを抜いたり押し込んだりするより、プロのピアサーや必要に応じて医療機関へ相談することが大切です。感染が疑われる場合には、医療従事者から指示されない限り自己判断でジュエリーを外さないようNHSも案内しています。[参照]
インナーコンクの治癒中に避けたいこと
適切なシャフトを選んでも、継続的な刺激があると治癒を妨げます。治癒中のピアスは必要以上に触ったり、くるくる回したりしないことが基本です。触れる必要がある場合には、先に手を清潔にします。
インナーコンクの場合には、寝るときの圧迫にも注意が必要です。APPでは、治癒中の軟骨ピアスを直接下にして寝ると刺激となり、ピアスの角度に影響する場合もあるとしています。[参照]
イヤホンやヘッドホン、スマートフォン、髪などがピアスへ頻繁に接触しないようにすることも重要です。特にインナーコンクはイヤホンと干渉する場合があるため、治癒中は接触する機器の使用方法を見直すとよいでしょう。
まとめ|8mmか10mmかは耳の厚みと腫れる余裕で判断する
インナーコンクのファーストピアスでは、「8mmだから短すぎる」「10mmなら正解」と一律には判断できません。8mmでも十分な余裕がある人はいますし、耳の厚みや腫れ方によっては8mmでは不足する人もいます。
重要なのは、現在ジュエリーが耳を圧迫していないか、今後の腫れに対応できる余裕があるかです。開けたばかりなのに8mmで完全にぴったり、またはすでに食い込み始めている場合には、早めに経験豊富なプロのピアサーへ相談し、10mmなどより適切な長さへの交換が必要か実物を見てもらうのが安全です。
反対に、自己判断で治癒途中のピアスを何度も8mmと10mmの間で交換することも避けたいところです。最初は腫れに対応できるサイズを使い、腫れが落ち着いた後には必要に応じて適切な長さへダウンサイジングする、という考え方で管理するとよいでしょう。強い腫れや熱感、増していく痛み、膿、発熱などがある場合には、単なるサイズ問題として扱わず医療機関へ相談してください。


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